伯父の形見の懐中時計

今日、私の母が銀色の懐中時計を出してくれました。私の伯父が持っていたもので形見代わりです。ふたが無いので、ちょっとイメージが違いましたけど・・・・形はそのまま時計でしたね。腕時計はつけないでこの懐中時計を使っていきたいともいます。一種のお守り代わりにもなります。きっと、どこかから私を見守っていてくれるでしょう。
私にとって、大切な人でしたから、亡くなってしまったときは泣くしかありませんでした。嘆いても戻ってきてくれるわけじゃない、さらには泣いても戻ってきてくれることはありません。結局は死去してしまった人は、この世界、この世に存在しません。残るものは写真、思い出、そして物です。しかし、それも全てが残るというわけではありません。限られたもの、印象深いものだけです。
こんな世ですから、私もいつまで生きていられるか分かりません。もしかしたら、明日に死んでしまうかもしれません。私達には運命は見えません。見えるものが真実で、見えないものは幻想です。私はいつまでこうやって生きていられるのでしょうか。いつまで人と交わることが出来るのでしょうか。きっと、それは感じられるでしょう。生が始まる時と死が始まる時が。